2009年3月25日 投稿者: ミヤザキ

『アドベンチャースポーツマガジン 2009 No.7』表紙(実際とは異なります)。撮影=井上六郎
トレイルランとアドベンチャースポーツの情報誌『アドベンチャースポーツマガジン2009 春夏 No.7』が、いよいよ3月31日に発売開始になります。
記事は非常に盛りだくさんで、一度ではとても紹介しきれません。そこで、これから発売日まで毎日、注目していただきたい記事を少しずつ紹介していこうと思います。
初回の今夜は、表紙。
表紙写真、いかがですか? この写真は、昨年10月に開催された、全長71.5km、日本最大のトレイルレース「第16回 日本山岳耐久レース(別名:長谷川恒男CUP、ハセツネCUPとも)」の約50km地点で、先頭を争う奥宮(おくのみや)俊祐選手と横山峰弘選手を捉えた1枚です。
コースを車道が横切っていることから重要なリタイヤポイントとなっている大ダワを過ぎ、100mほど進んだ地点です。
発電機による照明が煌々とともり、大勢のスタッフが待機する大ダワを越えると、コースは再び深い樹林帯の登山道に入り、同時に周囲はまたも完全な闇になります。
ハセツネCUPは"闇"との戦いです。自分のライトが照らす範囲以外は漆黒の闇。
そんななかカメラマンは、選手が通り過ぎるであろうコースを予測し、フラッシュ位置とカメラ位置を入念に調整。しかし、周辺は本当に真っ暗闇ですし、予想したライン上を選手が通過してくれるかもわかりません。もちろん暗闇のなか、オートフォーカスで撮影できるはずもなく、事前に予想ポイントにピントを合わせて待ち構えるしかありません。シャッターチャンスはピンポイントの一度きりなのです。
50mほど手前で待ち構えていた松田珠子記者から、「トップ選手来ましたーー!」との大声。その声を聞くとすぐに、選手が手に持つライトの明かりが、闇を切り裂くように大きく揺れながら近づいてきます。
ライトの揺れ方からして「もしや2人?」と思う間もなく、選手はグングン近づいてきます。
選手に向かって「フラッシュ光りまーす!」と大声で合図した次の瞬間、顔もまったく見えない選手に向かって、ここぞのタイミングでシャッターを押しました。
こうして、スタートから50kmを過ぎて、激しく先頭を争う奥宮選手と横山選手の姿を、ひとつの画面に捉えることができました。1人ではなく2人同時、しかもトップ争いをする2人を撮ることができたのです。
奥宮選手の足下を見ると、切り株から張り出した根っこがウジャウジャ。暗闇のなか、自分のライトだけの明かりだけを頼りに全速力で走り続けるトップ選手たち。
こうした木の根や不安定な足場だらけの71.5kmのコースを、トップ選手で8時間弱、後方の選手では24時間をかけて走破する。出場した選手全員に、何らかのドラマが起きないはずがありません。
<文=ASM編集部>
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