2008年10月11日 投稿者: ミヤザキ

これはいったい何の行列? 答えは・・・・
9月27日、東京都山岳連盟が主催するトレイルランナー向けの講習会「安全対策講習会」が、いよいよ最後の第6回を迎えた。
最終回は、過去5回の講習の集大成として、実力テスト?が行なわれた。
ルールはこうだ。スタートの合図とともに、自分の足首のテーピング実技を開始。完成したら講師に見てもらい、OKをもらった人から順次スタート。鋸山林道を駆け上り、大ダワから日本山岳耐久レースのコースへ入る。大岳山頂上は一般のハイカーが多いので南の巻き道を利用してパスする。大岳山荘前で今度はロープワークのチェック。各自が持参した6mm×5mの細引き(ロープ)でエイトノット、ダブルフィッシャーマン、シートベントを正確に結び、講師のOKが出たら再び走り出す。御岳山、日の出山、梅野木峠を経由して、つるつる温泉でゴール、という内容だ。
講習生は、事前に今回のコースマップを作成し、持参することも求められた。各自、これまでの講習を通じて地図読み能力が飛躍的に向上しているはずだ。
今回は田中正人講師について走るのではなく、各自が自分のペースでゴールをめざす。ほとんどの時間は単独走行になるため、分岐を間違えないよう十分な注意が必要だ。
レポート=宮崎英樹(ASM編集部)
光明山荘で日本山岳耐久レース実行委員長の宮地由文さんからあいさつ
車に分乗し、神の戸岩駐車場まで入る。ここでもう一度、テーピングとロープワークを復習した。

まずは足首のテーピングを復習。プロから教わる

武田講師(写真右)も冗談をまじえながら熱血指導
※武田講師のサイト「B級アスリートの一日」はこちら

田中正人講師からシートベントを教わる
ひとおり復習をすませ、11時、レーススタート。早い人はテーピングを数十秒で完成させ、OKをもらったら即座にシューズを履いて走り出す。

トップでスタートしたこの選手、足下は"地下足袋"
私は「撮影があるから・・・・」と言い訳しながらゆっくりめにスタート。はじめは林道を走って上るが、傾斜がきつく、途端に心拍が160オーバーになって苦しくなる。そのあとはほぼ歩きに。同じペースの講習生とおしゃべりしながら歩いて上っていく。傾斜が特にゆるい部分だけは走ったが、前を行く人たちはまったく見えなくなった。

途中が曲がって真っ暗なトンネルを抜け、鋸山林道を上っていく
途中、かなり上のほうに林道が見えたりするとがっかりしてしまうが、なんとかペースを保って上っていく。
上り着いた大ダワではスタッフ2名が待ち構えていた。スタッフと立ち話をしていると、試走中の櫻井教美さんが御前山方面から下りてきた。今日は数馬から入って武蔵五日市駅まで、とのこと。櫻井さんやスタッフと話している間に他の講習生にどんどん先に行かれたため、櫻井さんに続いて私もトレイルに入る。当然のごとく櫻井さんの姿はあっという間に見えなくなった。
大ダワ~大岳山は、ゆるいアップダウンを繰り返しながらも、快適に走れる区間が多い。向かい側から、立て続けにハイカーとすれ違う。確かに、昼間通れば緑がきれいですばらしいところだ(ハセツネではほとんどの選手が夜中に通過してしまう)。
大岳山の巻き道分岐にいた田中正人講師に聞くと、後ろにはあと3人しかいないとのこと。このままではヤバイ! 最下位になってしまう。
ここからは本気で飛ばした。大岳山の巻き道はほぼ水平なトラバース道で、快適に飛ばせる。それでも、すぐ前を行く女性講習生になかなか追いつかない。途中でルートは左に鋭角に折り返すのだが、ここを直進して馬頭刈尾根をかなり下まで下ってしまった人もいたようだ。
大岳山荘前では、ロープ結びに一生懸命な選手たちを尻目に、私は取材と称して写真を撮ったり、パンを食べたりと補給にいそしむ。

同じエイトノットでも、ストックや木に結べと言われると、とたんに難しくなる
ロープワークに合格したら、ここからが今回のハイライト。大岳山荘前からの出だしこそ岩場のトラバースだが、その後は危険箇所もなく、下り基調でガンガン飛ばせる。
レース本番では第3関門となる長尾平から御岳神社の短い上りでは、今回最大の心拍数178拍を記録した。そして日の出山の登り返し(標高差100m)をなんとかクリア。上りの途中で田中正人講師にものすごい勢いで抜かれた。日の出山では宮地さんが出迎えてくれた。
大岳山荘~日の出山の間は、他の講習生たちとの競り合いもあって(結局置いていかれたが)、下り基調にもかかわらず心拍数は平均で170くらいだった。これだけ心拍数を上げても、前を行くランナーにぜんぜん追いつかないのは、やはり日常から走っているみなさんとの基礎体力の違いなのだろう。
日の出山からは、梅野木峠を経てつるつる温泉まで、前半は土の林道、梅野木峠からは舗装道路を駆け下る。ここまで来ると、前後に他の講習生の姿は見えないほど間隔があいている。
ちなみに最速の講習生は2 時間20分でゴール。私のタイムは3 時間20分だった。
つるつる温泉でさっぱりしたあとは、日本山岳会の神尾重則講師による、医学知識の講義をたっぷり2 時間伺い、解散となった。
なお、6回行なわれた「安全対策講習会」のうち2回以上に参加した講習生のうちの希望者は、日本山岳耐久レースに「選手マーシャル」、つまり選手兼移動審判として出場することになっている。実際は、審判というよりも、選手全体の安全を見守り、ひとたび事故が発生したら自分のレースを中断してスタッフと同様の動き方をする、こちらのほうが重要な任務だ。
今回、選手マーシャルは約50人。背中にそれとわかるプレートを付けている。