2007年7月13日 投稿者: アドベンチャースポーツマガジン編集部

日本唯一のプロラフティングチーム「チームテイケイ」がついに世界の表彰台に立った。スプリント第2位、スラローム第6位、ダウンリバー第3位と好成績をおさめ、総合順位で第3位を獲得。世界の頂点に向かって、また大きな前進を果たした

Photo & Text by Kashiwakura Yosuke
6月27日~7月2日、ラフティングの世界一を決める祭典「ワールドラフティング・チャンピオンシップ」が韓国北東部インジェにあるネリンチョン川で開催された。川のグレードはレベル4といわれていたが、実際に訪れた時には川を歩いて渡れるほど水が少なかった。大会の開催が危ぶまれるほどの水位に、各国のチームから殺気が感じられた。そんな中、チームテイケイは天気予想図とにらめっこ。パソコン画面に表示されている雨雲はまだインドのほうにあり、大会当日にまとまった雨が降る可能性は誰にもわからない。「これが来てくれたら」と全員が心から祈った。増水を願うスポーツというのも珍しい。しかし、2年に一度のチャンスである。ふいにはできない。「神風が来ますから」とキャプテンの池田拓也氏が真顔で言った。
初日はスプリント競技。まずは、タイムトライアル方式で上位16チームを決定する。その後、上位16チームのトーナメント戦に切り替わり、スプリントの順位を争っていく。取材班は、「上位に残りますように」と手を合わせる思いだったが、チームテイケイはタイムトライアルであっさりと勝ち抜けた。その速さは全体の順位で2位を記録。そもそも、ヨーロッパ大会で優勝の実績を持つチームなのだ。心配は無用だった。
スプリント競技は2艇ずつが同時にスタートする。百メートルほどの直線を漕ぎ進むと右カーブに差し掛かり、その後は細い直線コースがのびる。この直線ルートの川幅は狭く、2艇が並んで漕ぐことはできない。そして、直線コース後の左カーブの先にはすぐにフィニッシュラインが待っている。
つまり、先に直線コースにはいったチームが「ほぼ勝ち」ということになる。しかし、スタートラインで、2艇が並ぶ際に右にいるか左にいるかで、勝敗に影響をおよぼす(左寄りの流れのほうがはやいため)。
タイムトライアル戦でドイツ、チェコ、ロシア、イタリアなどの強豪チームたちを抜いて2位を獲得した日本チーム。トーナメント方式に切り替わっても、その実力にゆるぎはない。計3回のスプリントで、すべてを勝ち抜いた日本は決勝戦に進んだ。
対するはブラジル。ブラジルが左、日本が右の位置からスタートした。タイムトライアルで1位だったブラジルにはスタート位置を決める権利があったのだ。しかし、何が起こるかわからないのが激流下りの醍醐味だ。右カーブを曲がり、最初に現れるのはどちらの艇か。日本から駆けつけた選手の応援団や関係者が固唾を飲んで上流を見つめる。最初にカメラレンズに飛び込んできたのがブラジルだった。一瞬の後、日本チームも現れた。2艇は直線にはいり、日本チームがぐんぐんとブラジルに迫る。艇全体から「勝つ!」という気合いが発せられている。ブラジルが左カーブに入りゴールまでの直線にさしかかった時、日本チームの艇から気合いの一声が発せられた。それを合図に、ブラジルとは別の流れに突入。直線コースの先を取られたことで勝敗はほぼ決まっていたが、ブラジルが川底の岩にひっかかる可能性もある。望みは最後まで捨てない。それが明日につながる。しかし、もう一歩のところでブラジルがフィニッシュラインに到達した。結果は、日本チーム第2位。だが、日本チームのスピードを世界に知らしめる初日戦となった。

*世界大会は、スプリント、スラローム、ダウンリバーの3種目のタイムを競い、その獲得ポイントで総合順位が決められる。大会の詳細記事は次号本誌にて!

監督浅野重人氏、そして池田拓也、藤田大吾、高畑将之、富田寛之、小林靖央、鈴木達也、柏木星穂の各選手、本当におめでとう!
●ラフティングチーム・テイケイHP
http://www.race-rafting.jp/