2006年8月 4日 投稿者: アドベンチャースポーツマガジン編集部

例年11月に開催され、シーズン締めくくりの本格的なアドベンチャーレースとして人気を博してきた「AZUMINO 2DAYS」。今シーズンは去る7月22(土)~23日(日)、夏場の2日間にわたって開催された。さて、今年はどんなレースになったのか。以下、アドベンチャーレース常連レーサーでもある“かーさん”こと鈴木真樹子さんがレポートする!

*「AZUMINO 2DAYS」
信州安曇野の自然豊かなフィールドを舞台に繰り広げられる本格的なアドベンチャーレースで、毎年絶妙なコース設定が賞賛されている。ここ最近はナビゲーション力がレースを大きく左右する傾向が強いが、地形をナチュラルに利用した内容の濃い大会として好評の大会である。また初心者からベテランまでが楽しめる大会としても人気が高い。
詳しくは大会HP(http://www10.ocn.ne.jp/%7Eadvent/indexframepage1.htm
)まで。なお、「AZUMINO 2DAYS」関連記事が『アドベンチャースポーツマガジン』2006(コンテンツは→ http://www.adventure-sports-web.com/magazine/2006.html
参照)にあります。ぜひ、ご覧下さい。
Text & Photo by Suzuki Makiko
今年も「AZUMINO 2DAYS4」に参加してきました! この大会は毎年11月の半ばに行われ、これまではいつも極寒との戦いのレースだったのですが、今年は私の大好きな夏開催! 酷暑や水切れなどの心配もあってそれなりに大変ですが、あの寒さよりは暑い方が断然いい! と考える私は初夏開催をとっても楽しみにしていました。
ところが大会数日前になって長野では連日の大雨による災害の情報が……。参加者から不安の声が上がり、大会開催自体も危ぶまれましたが、幸い安曇野周辺はさほど被害もなく無事大会が開催されたのでした。
☆
さて私たち『ももいろ学園アドベンチャー部』。今回はももいろ創立からのメンバー「よっしー」と、昨年の骨折から完全復活しつつある「ごおし」と私(すずき)の3人。3人ともそれぞれ個々にチームを組んだことがあったものの、3人での組み合わせは初。ちょっと何かしでかしちゃいそうなムード漂う3人組でもあったのですが、とりあえず完走を目指して頑張ろう! ということに。さてさてどんなレース展開になることやら。
☆
レース数日前に3人で集まりお酒を交えて作戦会議を開くことに。作戦会議と言っても、移動はどうするかとか装備の確認程度の内容だったのですが、ひとつだけ大胆な決断をしたのでした。それは、MTBを持っていかない! ということです。
今回の安曇野のレース、いやいやアドベンチャー初(?)ではないでしょうか? ルールではMTBはある区間に限り任意で使用可とのこと。3人とも過去の安曇野レースに参加した経験があり、その上で、多少MTBが有利になる所があっても、1時間も2時間も差が開くことはないと判断。その分地図も正確に読めるし、むしろほとんど乗れないのかもと予想、移動も楽になるなんて、ちょっと安易(!?)な理由で持っていかないことにしたのでした(結果論ですが、持っていかなくて大正解でした)。
そしてもうひとつ悩んだのが、ロープ(8mm20m)をどうしようか? ということでした。大会要項なども読み「『スーパービーンズ』であれば便利」というようなことが書いてあり、こちらも任意の装備になっていました。結局、ちょっと重くなるけど一応買って持っていこうということになり、私個人的には実際どうやって使うかなどはあまり考えず、念のためという感じでロープを持参することにしたのでした。
でもこのロープが今回の私達『ももいろ』が総合2位という好成績をおさめることになる重要な装備になるとは、この時点で3人とも全く知る由もありませんでした。
☆
■第1ステージ
さてレース当日。安曇野周辺はさほど大雨による被害はなかったものの、安全確保が重視され、当初予定されていたコースが変更。リバートレッキング、山間部へのコースもカットされ、競技内容も変更になりました。
その第1ステージの競技内容は、まずチーム3人のうち2人が指定されたTR(トランジション)に行き、残り1人は本部で待機。2人がTRに到着すると、そこには無線が置いてあって本部に残っているメンバーと連絡をとりCP(チェックポイント)の場所を言葉だけで(交信できる時間は2分間)伝えて、その場所を2人が探しに行くというものでした。それを3人交代で行いました。
私たちは地図上に縦横数cmずつのラインを引き、縦には1~8の数字、横にはA~Fの記号を入れ、あらかじめ場所の範囲をある程度特定することにしました。最初のオペレーターは「よっしー」。私と「ごおし」でポイントをとりに行くことに。
TR1までは距離にして4~5kmほどです。さほどきつい斜面ではないのですが、ずっと上りルートだったのでけっこうこたえました……。
スタート後約1時間でTR1に到着。ここで全体の7~8番目の位置をキープ。悪くない出だしでした。「よっしー」は高度なども含めかなり適切な指示を出し、私と「ごおし」はすんなりCPを見つけることができたのでした。
続いて「ごおし」がオペレーター。CP2は町の中にあり500円を持って行ってお餅を買ってくる! というもの。ルートはほぼ舗装路だったのでポイントとしても見つけやすかったです。
最後は私がオペレーター。もうドキドキ。TRに2人が着くまでずっと落ち着かず、いざポイントを説明する時には緊張と2分間しか話せないというあせりでまったくうまく説明ができずあっという間に2分が過ぎてしまい、それ以降は「帰ってこなかったらどうしよう、説明が下手でごめんね」という申し訳ない気持ちでいっぱい。ただオロオロするばかりで半泣き状態でした。しかし、私の説明が危ういものだと察知してくれた2人は広範囲でポイントを探してくれ、私が考えていた時間内でみごと戻ってきてくれたのでした。「よっしー、ごおし、ありがとう!!」
この時点でなんと総合4位。トップとは30分の差。
■第2ステージ
今回のメーンステージ『スーパービーンズ』です。
地図は縮尺1万分の1。1cm間隔でメッシュ上にラインが引かれていて、あらかじめ6箇所のポイントがマーカーで指定されているので、まずそのメッシュ上に指定された位置へ移動し、そこからマーカー内にあるポイントを探し出すというものでした(ごく簡単に言うと、真っ暗闇の樹海にポイントが6つあり、そのポイントすべてを探し出し、そのポイントに書かれている3桁の数字をメモして本部に帰ってくるというもの)。
第2ステージのスタートは19時。ステージ1でのゴール順のタイム差でのスタート。『ももいろ』のスタートは19時33分でした。
真っ暗な上に、藪もすごい。チビな私はちょっと大きい藪があるとすぐに埋まってしまうので、2人とはぐれてしまわないか心配でした。そこで私たちは事前に用意した20mのロープを用い、スタート地点からロープで距離の測定を行ったのです。まずはメッシュ上(マスの角)を狙い、コンパスで北に直進。マス上の角に着いてからも絶えず距離を測りながら東西南北のいずれかにコンパス直進で進行。隣に道が出てこようと、どんな藪があろうと、とにかくロープの距離とコンパス直進だけを頼りに突き進みました。少し手間がかかる作戦でしたが、この方法で進んでみると面白いようにポンポンとポイントが見つけられたのです。自分たちのいる場所が常に把握できるし、同じところを2度探すということもありませんでした。
途中、無線で優勝候補の『男山』『ミトコンドリア』『マイメロディ』など他のチームの情報を確認したところ、大体のチームが苦戦している模様。そのころ私たちはすでに5つのポイントを見つけており、ラスト1つという状況でした。
スタートしてから5時間近くたった午前0時過ぎに6つすべてのポイントをゲットし第2ステージを終えることができたのです。
この順調ぶりからなんとなく予想はしていましたが、本部に戻るとやはり私たち『ももいろ』がトップでのゴールだったのです。第3ステージへはもちろんトップでスタート。こんな事は初めて!! 嬉しいぃーーー!

■第3ステージ
最終ステージは『スペシャルタスク』(キャサリン探し)たるものでした。まずスタート時に指定されたポイントへ行き(激坂の上りであったもののポイント自体はわりと簡単でした)、そこでまた別の指示をもらいキャサリンを探すというものです。
最初のポイントに着いたらスタッフの方がいて「『ザッツ東龍門』が追ってるらしいので頑張って下さい!」と言われ、聞けば私たちの40分後に第3ステージをスタートしたと言うじゃないですか。それを聞いた時点でどこかで追い抜かれるのは間違いないと思っていましたが、2番目のポイントをめざして山を下り始めた直後に下の方から3つのヘッドランプの灯りが……。
「はやーーーい!」追いつかれるのはもうちょっと先かなと思いましたが、さすが『ザッツ東龍門』です。速すぎです。結局次のポイントに着く直前に追いつかれてしまいましたが、ここで『ももいろ』はキャサリン探しにかなり苦労させられます(東龍門も苦戦していたようです)。同じ尾根を何度も往復、キャサリンを探し出すまでになんと2時間半もの時間を費やし、やっとこさキャサリンを見つけたころには周囲が明るくなりかけていました(ちなみに『東龍門』は隣の尾根で3つの灯りが見えたのを最後にいなくなってしまい、ゴール後に話を聞くと、キャサリンを見つけてからはライトを消して私たちに見つからないようにこっそりゴールへ向かったそうです(笑))。
とにもかくにも後はゴールに向かうだけ。3位のチームとはまだ遭遇していないものの、私たちが違う尾根を探している間に抜かれてしまうかもしれない、と不安な気持ちを抱えつつ、でもそれでもいいやと思い、急坂を下り、5時30分前に本部に到着。最後は3人そろって感動のゴール!! 付近を見渡すと『東龍門』しか見当たらない。すぐさまスタッフの菊島さんに確認すると「2位だよ」と教えてくれ、またまた感動感激! 毎年毎年、完走さえも難しい安曇野のレースで、こんな早い時間にゴールできて、しかも総合2位でゴールとは!
私たちがゴールしてからも『スーパービーンズ』をしているチームもあり、あらためてこのゲームの難しさを痛感させられました。ロープを使った安全、確実、正確な作戦が今回の結果をもたらしてくれた最大の要因だったなと思いました。
☆
今回は大雨の影響でスタッフの方々はレース前から本当に大変な苦労があったことと思われます。
こんな楽しい大会にしていただき、スタッフの皆様には本当に感謝のひと言に尽きます。そして参加された選手の皆様も、一晩中、藪と暗闇の中での戦い、お疲れ様でした。本当に楽しかったですね!
来年もまたお会いしましょう!!

From ASM編集部
鈴木さ~ん、大会同様のとーても濃いレポート、ありがとうございました! それにしても「AZUMINO 2DAYS」は、毎年毎年本当に濃い大会ですね。そして毎回ドラマがありますね! そしてそして、堂々の2位、準優勝おめでとうございます! 参加した全チームのみなさん、大会スタッフ、地元関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。次回も素晴らしい大会を期待しています!
みなさん、鈴木さんの「市民記者」レポート、いかがでしたでしょうか? みなさんも「アドスポWEB」にレポートしてみませんか! 大会やトレーニングなど、テーマはなんでもOKです。写真・文章をぜひ編集部までEメール(adventure@yamakei.co.jp ) にてお送り下さい。掲載させていただいた方には、「Advebnture sports」ステッカーを進呈します。なお、お送り頂いた写真・文章の返却はできませんので、ご了承ください。詳細は下記を参照ください。
【アドスポWEBレポーター募集中!】
アドスポWEBでは、大会やイベント、トレーニングやコース紹介などなど、さまざまなアドベンチャースポーツシーンのレポートをしていただけるレポーターを募集しています。
レポートは、常時受けつけております。お名前(ペンネーム可)を明記したうえで、タイトルを「アドスポWEBレポート」として、写真(合計5MB程度まで。最大横幅382pixelで解像度72pixel/inch以上。またJPEGデータをそのままお送りいただいただければ、こちらで加工します)、文章(文字数2,000時程度)、タイトルをEメール(担当:山本晃市)にて、以下のアドレスまでお送り下さい。
adventure@yamakei.co.jp
なお、採用させていただいた方には、アドスポステッカーを進呈します。また、お送りいただいた写真と文章は返却できませんので、ご了承ください。ほか、問い合わせ等は、上記メールアドレスまで。
この記事へのコメント (1件)
投稿者: 弥生 | 2006年8月 5日 01:19
ずーっとまってましたよぉ、このレポートを。
ごおしもかぁさんも今までの苦労が全て報われるようなレース展開だったんですね〜。
他人事とは思えないぐらい嬉しいです★
よっしーも眠い中お疲れさまでした!!
そして本当に堂々の二位おめでとう!!