
去る8月13(日)〜20日(日)、日本海から太平洋をめざす超過酷な山岳耐久レースが開催された。その名も「トランス・アルプス・ジャパン・レース(TAJR)2006」。国内の名だたる選手が挑戦する総距離約420kmという国内最長レースで、北・中央・南アルプスの主要ピークをたどる。参加者は6人、タイムリミットは8日間。無事、大平洋にたどり着けるのは何名だ!?
*上写真=優勝した間瀬ちがや選手
8月13日ジャスト午前0時、富山県魚津の海岸を6名のレーサーが静かにスタートを切った。参加したのは、本大会コースレコーダー(6日間2時間)でありアドベンチャーレース界の第1人者でもある田中正人、国内女子トップレーサーの間瀬ちがや、大会呼びかけ人である岩瀬幹生、飯島 浩、高橋 香、岩崎 勉という豪脚を誇る6選手である。めざすゴールは大平洋。え? と首をかしげるのが普通だろう。大平洋までの道程には、北・中央・南アルプスといった日本の壁ともいうべき峰々がそびえ、その主要ピークをたどりながらのルートになる。1日の歩行時間を7時間として登山用のコースタイムで換算すると、26日間以上もかかる驚異的なコースだ。彼らはそれを一週間で走破するというのだからアンビリーバボー!!!

*大会の生みの親のひとり岩瀬幹生選手。残念ながら今回は仕事の事情で途中棄権
総距離約420km、高低差3000m以上というレースは世界的にもまず類を見ないだろう。すべてのルートをランのみで進み、休憩や野営も選手の判断にゆだねられる。つまり、ノンストップレースなのである。アルプスの稜線を進み続けるため、ナビゲーション能力と天候の知識、ビバーク技術などなど、体力はもとより技術や知識、経験を問われる。超人的な脚力だけではなく、高度な登山経験が必要になるのがこのレースの大きな特徴なのだ。

*今回初参加ながらど根性を見せてくれた岩崎 勉選手。お疲れさまでした!
今回のレースでは、取材陣の予想をうわまわる展開が多かった。まず、前回に6日間2時間という驚異的なスピードでゴールした田中正人選手のリタイヤ。北アルプスを前回よりも大幅なスピードで走り抜けた田中選手だったが、上高地から中央アルプスに向かう道路上で脚を止めた。約1ヶ月半前の海外レースの疲労が残っていたのか、意志に反して足の筋肉が動かなくなったという。この時点で、田中選手はリタイヤを決断。その後、木曽駒ケ岳入口で飯島 浩選手も足の痛みでリタイヤに終わった。全6名の選手中、残るは4名。しかし、前回の完走者岩瀬幹生選手は16日から仕事のため、南アルプス入り口で帰途につく。完走の願いは残る3名の選手に託された。
最終的にゴールしたのは、2名だった。唯一女性選手として参加し、みごと優勝を飾った間瀬ちがや選手(前回2位)、そして前回のリタイアをみごと雪辱した高橋 香選手である。いずれも感動のゴール!
この詳細に関しては、『山と溪谷』8月号、9月号、および次号『アドベンチャースポーツマガジン』にて紹介予定。ぜひ、ご覧下さい。

Text & Photo by Kashiwakura Yosuke
この記事へのコメント (2件)
投稿者: 中道 政博 | 2006年12月 7日 16:48
20歳で上京し、本格的に山を登り始め、北・中央・南アルプス・ハケ岳を縦走して、仕事の関係で23歳で北海道へ。
45歳に予想外の人生の変転で仙台へ転勤し、親不知から御前崎まで、まだ歩いていない道をキャンプしながら歩いてみよう、と55歳に思い、56歳の12月に達成しました。健康に生んでくれた両親、一緒に縦走した岳友に感謝しました。
TAJRの極めて厳しい制限時間の中で、レースに参加し、事前のトレーニングに努めた6人の選手に、エールを送ります。
投稿者: ASM編集部 | 2006年12月 7日 17:17
中道政博様
コメントありがとうございます!
TJARの驚異的なランナーのみなさんも
喜ぶと思います。
次号アドスポ(2007年5月発売予定)でも
TJARの記事を掲載する予定です。
2年に一度のこの超人レースに
中道さんもぜひ参加されてみてはいかがですか!
がんばって下さい!
ASM編集部