2006年6月21日 投稿者: アドベンチャースポーツマガジン編集部

「水になろう! 緑になろう! 自然に帰ろう……」。奥多摩の緑が若葉から青葉へと移り変わる6月。今年も都心からアクセス抜群、しかも自然の色濃い奥多摩の氷川渓谷にて、第12回「奥多摩カップカヌー競技大会」が開催された。以下、ダイジェストレポートを写真とともにお届けしよう。
6月4日(日)。肌寒さと、霧雨混じりの曇天にもかかわらず、朝から大勢のカヤッカー、カヌーイストが大会のメイン会場となる氷川キャンプ場へ続々と集まってきた。
「奥多摩カップ」は、氷川キャンプ場前の河原をスタートし、氷川渓谷の清流を下って白丸湖をゴールとする約2.5kmのダウンリバーレース。今年のエントリーは全部で134艇、総勢140名となった。
「奥多摩カップ」は毎年、本当に幅広い年齢層の参加者が集まる。今年は特に、不惑クラス(40歳以上)が13名、壮年クラス(50歳以上)が20名(しかも最年長の参加者は70歳!)と、ベテランの存在感が目立つ。一方若い方は、今年は少年少女クラス(中学生以下)が15名(最年少8歳)と、こちらも負けてはいない。さらに、今年新設されたカップルクラス(2艇が同時に発艇しゴールする)では、おじいちゃん(69歳)とお孫さん(10歳)のペアが登場し、選手の顔ぶれも、より一層バラエティあふれる大会となった。

大会のコースは例年通りで、前日はレスキュースタッフ中心に入念なコース整備が行われたが、今年は、川の水量が昨年と比べてやや少なく、場所によってはやや難しいコンディションとなったようだ。
大会は、開会式の後、壮年の部からスタート。
レースは、昨年よりも流れがやや緩い分、浅い箇所も増えたようで、特にスラローム艇で参加した選手は気を使う箇所が多くなったようだった。流れが緩いと艇の進むスピードも遅くなるので、スピードを殺さないようなコース取りができるかが、勝負を分ける重要な要素となる。この点では、多くの選手が苦戦をしていた模様だ。ただ、その中でもベテラン選手や前日にコース下見を入念に行っていた選手を中心に、スムーズなパドリングを披露していた。また後半は白丸湖でのラストスパートをできる漕力も大事なポイントのひとつで、湖では、選手の渾身の力を振り絞ってのパドリングが見られた。

またこの大会のユニークなルールとして、途中で「沈脱」しても再乗艇がOKとなっているのだが、今年は、毎年「沈脱」の名所となっている最大の瀬「魔が淵」が、水量の減少によってやや勢いが弱くなったようで、今年の「魔が淵」の沈脱者はなんとゼロ。これには、担当したレスキュースタッフも、ほっと胸をなでおろした様子だった。
レースはその後、不惑の部、成年男子、成年女子、少年少女の部、オープンカヌーの部と、順調に発艇が進み、いよいよこの大会のハイライト、ロデオ艇クラスの発艇となった。このクラスは他クラスと異なって、参加選手全員が一斉にスタートする。今年は男子17艇、女子11艇の参加があり、これだけの数の艇が一斉にスタートする光景は壮観だ。
スターターの合図とともに、選手は各々ショートボートに乗り込んで、河原の坂を一斉にすべり落ちていく。中にはスプレーカバーが外れたまま降りてしまったり、パドルを置き去りにしてしまう珍プレー(これも作戦!?)も飛び出し、これにはギャラリーも大盛り上がり。
レースの終了後は、アトラクションとして地元の「奥多摩清流太鼓」の演奏と、青梅市御岳に拠点をもつクラブ「ウィズ・ネイチャー」によるフリースタイルカヤックのデモンストレーションが行われた。この妙技には、完漕して会場に戻った選手・ギャラリー・スタッフ一同から大きな拍手が起こった。
そして、表彰式。まず初めに伊藤実行委員長からレースの総合結果が発表された。なんと総合優勝は、少年少女クラス(中学生以下)の池田翔一君(13歳)。もちろん大会史上最年少の優勝者だ。これには選手たちから大きなどよめきが起こった! そして2位には、壮年クラス(50歳以上)で昨年度総合優勝者、“鉄人”井伊鉄郎さん(66歳)。今年は新世代の若者が大ベテランを見事撃破し、記憶に残るレースとなった。

また表彰式で参加者の注目を集めたのは、優勝者に奥多摩町長より手渡された優勝カップ。今年は奥多摩の「川砂」を使った陶製のカップで、その形は、奥多摩の山と川の恵みの素である「雫(しずく)」をイメージしたもの。各クラスの優勝者が、その特製カップを高々と掲げると、大きな拍手が会場を包んだ。また奥多摩カップの楽しみのひとつ、各カテゴリーごとのとび賞(5・7・10位など)、特別賞(最多沈脱賞・最長タイム賞)の発表があると、会場のさまざまなところから、入賞者をしのぐ歓声と喜びのガッツポーズが飛び出した。
そして、表彰式の最後は恒例の参加者・スタッフ全員が参加してのジャンケン大会。と、ここでまさかのハプニング……。ジャンケンで最後に残ったのは、なんと大会スタッフとして頑張ってくださった奥多摩町役場の職員の方! 本人もまさか……の表情で喜んでいいのかどうしていいのか!?
結局、自転車は本人から寄付(!?)された形となり、前代未聞のもう1ラウンド。2回目でみごと自転車をゲットしたのは、地元奥多摩氷川小学校の原島一也くんとなった。
レース中はもちろんレースの後も、選手・スタッフ・ギャラリー、みんなの笑顔が集まった今年の大会。ぜひ来年は皆さんもこの笑顔の輪の中に加わってみませんか?
(写真・文☆宮村和宏 Photo & Text by Miyamura Kazuhiro)
【リザルト・大会詳細】
第12回「奥多摩カップカヌー競技大会」
最終結果(pdfファイル)および詳細に関しては、以下のHP参照
http://www.geocities.jp/okutamacup/