2006年6月30日 投稿者: アドベンチャースポーツマガジン編集部

去る6月25日(日)、長野県の信仰の山、御嶽山を舞台に「OSJおんたけスカイレース」が開催された。海外からの招待選手10名を含め、総エントリー数約240名という華々しいレースとなり、日本のアドベンチャースポーツシーンに新たな1ページが加わった。

Photo☆Kameda Masato, ASM
九蔵峠からの雄大な御岳山。一番左の座が王滝山頂。剣ヶ峰は、その右
長野県の神聖なる山、御嶽山。標高3,067mの剣ヶ峰を頂きとし、勇壮かつ広大な独立峰としてそびえる信仰の山。記念すべき第1回「OSJおんたけスカイレース」は、まさにこの御嶽山を舞台とする国際色豊かなトレイルランニング・レースである。アメリカのカテゴライズで言えば、本大会は、厳密にはトレイルランニングではなく、スカイランニング。おおまかに説明すると、トレイルランニングは、A地点からB地点へと同じコースを走ることがないコース設定のレース。一方、スカイランニングは、A地点と山頂を往復するレースとなる。また、本大会のトピックスは、「スカイランナーワールドシリーズ」の日本ラウンドとして開催された点である。「スカイランナーワールドシリーズ」とは、『アドベンチャースポーツマガジン』2006(http://www.adventure-sports-web.com/magazine/2006.html )でも紹介した「Mt.キナバル インターナショナル クライマソン」を頂点とし、世界各国を巡る年間8戦によるグランドチャンピオンを決定するスカイランニング(山岳レース)世界最高峰のシリーズ戦である。本大会の招待選手は、昨年の男女グランドチャンピオン2名を含めた海外選手男子7名、女子3名、国内選手1名(鏑木 毅)である。この他、一般エントリーの国内外の選手が約230名、総エントリー数約240名というビッグレースとなった。

簡単にコースを紹介しておこう。スタート地点は標高約1,250mの三合目大又山荘。まずは林道、王滝登山道を登り、続いておんたけスキー場のゲレンデを直登する。そして車で行くことのできる最終地点である七合目の田の原より、本格的な御嶽登山コースへと入っていく。途中、ガレ場や木段、雪渓を乗り越え、王滝山頂(標高2,936m)、剣ヶ峰(御嶽山山頂。標高3,067m)を超え、二ノ池、三ノ池等を眺めながらのお鉢巡りをして再び剣ヶ峰へ。ここからは折り返しとなり、四合目付近にある標高約1,400mの銀河村キャンプ場へといっきに駆け下りフィニッシュとなる。
この冬の大雪による影響で当初予定されていたコースが変更され、距離も短縮、アップダウンも少なくなり、トップ選手にはそれなりの影響を与えたようである。とはいえ、総距離約23.4km、最大標高差約1,817mという壮大なコースである。

さて、肝心のレースの模様をダイジェストでお届けしよう。6月25日(日)朝7時、装備チェック(義務装備:1リットル以上のドリンクとヘッドランプ)を終えた選手がスタートゲートに揃い、一斉スタート。遥か彼方にそびえる御嶽山を目指し走り出した。スタート直後は緩やかな斜面の気持ちの良い林道が続く。が、おんたけスキー場から心臓破りの急登となり、選手がいっきにばらけはじめる。七合目田の原の登山道入り口時点でトップは、昨年のグランドチャンピオンであるRob Jebb(英国)。通過タイムは8時ほぼジャスト。驚異的なスピードである。日本人トップは、トップに約4分遅れの藤田慎吾選手(東京都)。その2分後に鏑木 毅選手が続く展開となった。女子のトップは、英国Angela Mude。日本人女子トップは、総合トップのRobに遅れること僅か約19分というこれまた驚異的なスピードで走るマラソンでも有名な松本晴美選手(岡山県 ファンランドOGK)。その直後に間瀬ちがや選手(東京都 VASQUE)が続いた。想像以上に激しいトップ争いが展開され、頂上を折り返した時点でも優勝の行方は分からなかった。
そしてスタートから3時間20分15秒が経過、イタリアのFulvio Dapitが昨年度のシリーズチャンピオンをみごと抜き去り、フィニッシュ地点に舞い戻ってきた。途中、スキー場のゲレンデがコースとなるため、正確な登山のコースタイムは出せないが、おおよそ16〜17時間はかかるであろう本大会のコース。3時間20分15秒、驚異的な記録である。そして、日本人トップ(総合5位)は、なんと鏑木選手の弟子であり国体のチームメイトである松本 大選手。記録は、3時間32分02秒。栄えある初代日本人最高位を手にした。ここ数週間体調が優れず思うような練習ができていなかったという鏑木選手は、惜しくも総合6位(日本人2位)であった。一方、女子のトップは女性陣の中で独走を続けたイギリスのAngela Mude。記録は、3時間51分39秒(総合11位)、女子選手唯一の4時間をきるタイムであった。日本人女子のトップは、間瀬ちがや選手。途中までトップだった松本晴美選手を抜く快走を見せた。

上左=エイジ別入賞を果たした長谷川麻衣選手と招待選手。上右=優勝したイタリアFulvio Dapit。下=日本人1位、2位(総合5位、6位)の松本 大選手(右)と鏑木 毅選手
最後まで気の抜けない見ごたえのあるレース展開、そしてなによりも壮大なロケーション、世界のトップ選手とともに走る国内外の豪脚・健脚を誇るの多くの選手たちが素晴らしい走りを見せ、日本初のスカイランニングの大会「OSJおんたけスカイレース」は無事終了した。国内外の多くの選手が満足絶賛した本大会、次回はおそらく国内選手はもちろん、海外選手もさらに多数参加するものとなるであろう。まさに日本のアドベンチャースポーツシーンに新たな1ページを刻んだ大会であった。また、今シーズンの「スカイランナーワールドシリーズ」は、まだ4戦残っている。ぜひ参戦してみてはいかがだろうか。
なお、本レースの詳細なレポートは、次号『アドベンチャースポーツマガジン』で紹介する予定。ぜひ、ご覧下さい。
【上位リザルト】*暫定
●男子
1位 Fulvio Dapit(イタリア) 3:20:15
2位 Rob Jebb(英国) 3:23:00
3位 Simon Booths(英国) 3:27:45
4位 Marco Rusconi(イタリア) 3:30:06
5位 松本 大(日本) 3:32:02
6位 鏑木 毅(日本) 3:36:31
●女子
1位 Angela Mude(英国) 3:51:39
2位 Corin Favre(フランス) 4:01:09
3位 Stephanie Cimenes(アンドラ) 4:14:37
6位 間瀬ちがや(日本) 4:34:17
【大会詳細・問い合わせ】
主催:OSJおんたけスカイレース実行委員会
http://www.powersports.co.jp/sky/sky-top.htm
協力:王滝村、木曽町、王滝観光総合事務所、中部森林管理局木曽管理所、その他
協賛:ラフマミレー、ワコール、ザ・ノース・フェイス/ゴールドウイン、アートスポーツ、KEEN Japan、パワーバー
企画運営:パワースポーツ/OSJ
http://www.powersports.co.jp/
運営協力:フィールズ/FSA