2005年12月 5日 投稿者: アドベンチャースポーツマガジン編集部

去る10月8日にインド・パキスタンにあるカシミール地方で起きた大地震。マグニチュード7.6という激震により、その被害は広範囲に及んだ。子どもを含む8万7000もの人々が死亡し、重症者は13万人。家屋は倒壊し、350万人ともいわれる難民が野宿生活を強いられている……。そのカシミールに冬が来た。

長年にわたる紛争で疲弊したカシミール地方では、なかなかに支援の手が回っていないのが現状だ。しかし、ナンガ・パルバットやK2など8000m級の峰々を擁するカラコルム山脈の冬は、並大抵のものではない。氷点下20度を下回る厳しい冬を、焚き火だけでしのげるはずもなく、多くの生命が凍死の危機にさらされている。国連のアナン事務総長も「第二の死の波」として、この二次被害の危険性を世界に向けて警告した。
こんな現況を受けて、11月19日にイスラマバードで開催された支援国会議では、58億ドル(約6960億円 12月2日現在)の支援が国際社会から決定された。しかし、その目的は「復興支援」であり、被災者の越冬支援には充てられないという。また、昨年のスマトラ沖地震に比べ、各国の資金拠出やNGO団体などによる民間募金の集まりは「3割ほど」の低調さというデータもある。このままでは、地震による直接的な被害にも増して、凍死による未曾有の被害が現実のものとなってしまう。時間の問題である。
国際NGO団体ピースボートでは、支援活動として、カシミールの北部地区・バーグに拠点を置き、今までに4000枚の防寒用ブルーシートを現地に送る活動を続けてきた。しかし、降雪の季節になり、ブルーシートよりも効果的な防寒用具の支援が必須のものとなってきた。そこで、第二弾の支援活動として、より防寒性の高いシェルターやテントなどを購入する資金集めを始めている。イスラマバードやカラチなどパキスタン国内で防寒用具を購入し、国外から送る搬送費を削減。ひとりでも多くの人に、確実にわたるようにと腐心している。
カシミールは美しき山のクニ。世界中から多くの岳人が集まり、山を愛し、戯れてきた場所だ。近隣国のキルギスでは、2003年にレイドゴロワーズの最終戦も行われた。そこに暮らす人々が、ただそこにいるというだけで生命の危機に曝されている。アウトドアを志す人間にとっても、これは他人事ではないだろう。今、僕たちが動き出せば、まだ何千という生命を救うことができる。
ほんの少しでもいい、幾ばくかの支援金を、ピースボートに送りたい。この「ピースボート パキスタン地震緊急支援キャンペーン」は、ひとまず12月末日まで。集まった支援金は在日パキスタン大使館および現地のパートナー団体を通じて、カシミール一帯の難民キャンプの越冬支援に使われることになる。
(Text by Miyakawa Tetsu , Photo by Kjeld Duits/ikjeld.com)
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